精神障害を抱える家族が利用できる施設

最終更新日 2025年6月24日

障害と一口に言っても種類は様々で、そのひとつに精神障害が挙げられます。
精神疾患を抱えているために、社会参加や日常生活に困難をきたし、感情や行動のコントロールが難しい場合があります。
また、精神障害の種類によって起こる症状が異なり、そして外見では分かりにくいことで周囲からの理解を得づらいこともあるでしょう。

家族に精神障害を抱える者がいる場合

家族に精神障害を抱える者がいる場合、ある程度はサポートをすることで生活を送れるケースもあるものの、現実的に付きっ切りになることが難しかったり、サポートをする者の生活への支障になったりすることもあります。
もしも精神障害を抱えるのが子供である場合は、将来のことも不安になるものです。
両親や親族がいなくなった時に世話をする者のことも考える必要があり、先を見据えた対策を早めに講じなければいけないと言えます。
理想的なのは、やはり自立を実現できることですが、そのために施設への入所を前向きに検討してみるのも良いかもしれません。
あん福祉会などのいわゆるグループホームもそのひとつです。
高齢者向けの施設というイメージを持たれることもありますが、精神障害者向けの施設もありますし、若い世代からもよく利用されています。

参考:特定非営利活動法人あん福祉会の企業情報

グループホームを利用するメリット

自立心のある生活を営める

グループホームを利用するメリットとして、自立心のある生活を営めることです。
家族のサポートを受けている場合、身近に支援の手があることで自立する機会を持ちにくいことが少なくありません。
その点、グループホームですと能動的な生活を送ることができ、障害を持つ者でも自分らしい主体的な生き方を実現することができるのです。
もちろん個々で障害の程度は違い、できることやできないことの内容にも差異があります。
そのため、個別に支援計画を作成した上で、適宜、必要なサポートを行いながらも、できることは自ら行うという自立を目指した訓練を取り入れていきます。
自立心のある生活を送ることで、向上心を養えるのも特徴的です。

本人の能動的な意思を大切にしてくれる

グループホームでは決まり切った生活を送るのではなく、本人の能動的な意思を大切にしてくれます。
例えば、調理や洗濯、掃除といった日常生活の中で生じる作業が困難である者でも、本人のやりたい気持ちがあれば少しずつ経験をすることができ、一歩一歩自立へと近づけていけます。
また、できることを増やすことで向上心と自信が養われ、精神的にも主体的になれる生き方の実現を目指せるのです。
施設ではイベントが用意されていることも多く、新しくできたことや、やり遂げたことを発表会で披露し、成功体験を積み重ねて自己肯定感を高めていく取り組みも行われています。

コミュニケーションをたくさん取れる環境がある

コミュニケーションをたくさん取れる環境があるのもグループホームのメリットでしょう。
障害を抱えている者は、どうしても他者と触れ合う機会が少なく、外部からの刺激を受けることができません。
特に精神障害の場合は人と接することが難しいこともあるため、余計にコミュニケーションが希薄になりがちです。
しかしながら、家族や親族によるサポートを得られない状況に置かれた場合、人と接することへの免疫がないままでは苦労が大きくなってしまいます。
孤立をさせないことが重要になってきますので、日頃から他者と接する時間を多く持つことも欠かせません。
グループホームではスタッフをはじめ、入所者同士がコミュニケーションを持てる機会もたくさん設けているため、毎日人と話す生活を送ることができるでしょう。

グループホームの注意点

障害の程度によって入所の可否が判断される

このようなメリットがある一方で、注意したいポイントもいくつかあります。
まず障害の程度によって入所の可否が判断されることです。
例えば医療ケアが必須ですと、施設側が対応していないことで入所を断られてしまう場合があります。
ある程度の自立した生活を送れることが条件の場合もあるため、施設探しに苦労する可能性も考えられます。
グループホームの多様化も進んでいますので、多くの情報をリサーチしてマッチする場所を見付け出すようにしましょう。

基本的に保険適用がされない

基本的に保険適用がされないことで、費用負担が大きくなりがちなのもひとつです。
入居費用が高く掛かることも考えられ、支払う側の経済的な負担も考慮しなければいけません。
しかし自治体によりある程度の支援が受けられることもあるため、補助金や給付金といった手当てを求められないか相談をしてみるのがおすすめです。
入所を行う本人との相性問題があるのも注意点に挙げられます。
実際に生活を送るのは当人であり、他人との共同生活にスムーズに馴染めない可能性も考えられます。
障害の内容によっては人との連携が難しかったり、他者と関わることに強いストレスを感じたりすることもあるため、必ずしもグループホームが最良の選択になるとは限らないのです。

まとめ

とはいえ、実際に入所をしてみないことには分からない点があるのも事実です。
将来のことを考え積極的に対策を講じることが重要ですので、まずは一度見学をさせてもらうなり体験利用をさせてもらうなりしながら入所の可否を判断しましょう。