最終更新日 2025年6月24日
省エネを考える
自動車や家電製品などを購入する際に必ずと言ってよいほど目にする言葉が省エネです。
実際に車を買った場合、やはり燃費というものはランニングコストに直結してきますし、冷蔵庫やエアコンなど稼働時間の長い電化製品は電気代がランニングコストになります。
そして、このランニングコストが高ければ、初期の購入費用が安くても結果として割高になってしまうことは珍しくありません。
そのため、我々消費者は初期費用に維持費や電気代などを足した金額を、自動車や家電製品を購入する際の参考としています。
このように、一般的に消費者が省エネという言葉から連想するのは「エネルギーを使用して得られる効果に対するコストの削減」といった、いわゆる節約と言われるものではないでしょうか。
確かに、家計を始めお金の問題というものは私たちから切り離すことができない大きな問題です。
しかしながら、省エネの本質は決してお金の問題ではありません。
エネルギー資源の問題
では、何の問題であるかというとエネルギー資源の問題です。
私たち日本人は経済的に発展した先進国で物質に恵まれた国に暮らしています。
そのため、一人当たりのエネルギー消費量もかなり大きいです。
そして現在ではアフリカ諸国などこれまで発展途上国であった国の中でも経済が発展し、それに伴う人口の増加や都市化などによって世界中でエネルギー消費量が大きくなっています。
そして、このままではいずれ石油などの天然エネルギーの多くが枯渇してしまうとも言われています。
ここで断っておきたいのは決して発展途上国が豊かになることが悪いということではありません。
世界中の一人でも多くの人が豊かになることは素晴らしいことですし、どの国にも、どの人にも豊かになる権利があります。
このように考えてみると、エネルギーを節約するというのは世界中の人が豊かに暮らすことができるための手助けであるとも言えます。
日々の生活から省エネについて改めて考えてみる
こうして、金銭的な観点からではなく、世界中の人たちや今後の地球のために省エネについて考えてみた場合、今までのやり方に少し疑問がわくのではないでしょうか。
例えば自動車を買い替える場合を考えてみると、少しでも燃費の良いエコカーに乗り換えるのは、自動車の燃料として使うエネルギーの削減にはなるかもしれません。
しかし、もう少し踏み込んで考えてみると、今乗っている自動車をそのまま乗り続けるという手もあるのではないでしょうか。
もちろん、自動車は実用性だけではなく装飾的なものでもあるので、古くなったから新しいものに買い替えることが悪いことではありませんが、今乗っている自動車をもう少し長く乗ることは自動車の生産台数の抑制にもつながるはずです。
そうすれば、自動車生産の際に発生するエネルギーの削減に効果が期待できます。
このように何かを長く使用するというのは根本的な使用エネルギーの削減に非常に効果があると、専門家のエスコシステムズは言及しています。
そもそも必要なものは買わないこと
また、長く使うことも大切ですが、それ以上に効果的なのが「そもそも必要なものは買わない。」ということです。
省エネをただの金銭的な問題と捉えていると、自分が直接支払う電気代やガス代といったものにしか意識が及びませんが、きちんと地球規模のエネルギー問題であると考えれば、衣類や食品など、日用品の中でも必要なものを減らす意識が芽生えるはずです。
例えば食品ですが、野菜を生産するのにも肥料や農薬などを生産、運搬するエネルギーや、産地からスーパーへ運ぶためのエネルギーなども必要になってきます。
日本は自給率が低く、たくさんの石油エネルギーを使って海外から、食品を多く輸入しています。
しかしながら、その反面で輸入した食品の半分ほどが食べ残しなどで廃棄されていると言われています。
食べないものをわざわざ海外から運んできて、捨てるというのはエネルギーの無駄遣い以外の何者でもないはずです。
誰のためにエネルギー問題に取り組むのか?
しかし、私たち人間は動物と違って嗜好品を必要とする生き物です。
そのため、服が好きな人にとって最低限の服しか持たないことは難しいでしょうし、食べることが好きな人にとって常に粗食を強いることはできません。
しかし、現在の先進国にはとにかく多くの物がありふれていて、企業は多くのものを売るために、多額の広告費や宣伝費を投じて、たくさんの物を消費者に売っているのが現状です。
そして今や省エネ自体がビジネスのひとつになっているとも言われています。
何か新しい物を購入する際にエネルギーについて意識するのは素晴らしいことですが、たくさんの人が本当に欲しいと思うもの以外を少しでも買わないようにするだけでも、エネルギー問題の改善に繋がるはずです。
エネルギー問題は進行を続ける病気のようなもので、放っておいても回復することはありませんし、後回しにすることもできません。
まずは一人一人がそもそも何のため、誰のためにエネルギー問題に取り組むといった根本的な考え方を見つめ直す必要があるのではないのでしょうか。
※エスコシステムズより引用